Lesson–17 * 『答えは風の中』
音楽はMetalを好む。
頭の中の全てを追い出してくれ、余計な事を考えないで済む。内にある何かが覚醒されていく感覚になる。
それがとても気持ちが良い。
だがそれだけでは足りない。
何事も偏りすぎるのは危険で、楽しむためにはバランスを保つ事が大事になってくる。
バランサー“ボブ”
我々は何かに疑問を持ち続け日々生きている。
それはゲーム内でも現実も変わらず同じだ。
ぼーっと何か考え事をする時に口ずさむ歌がある。
それはボブ・ディランの
『Blowin’ In The Wind』
もしかしたらリンクから飛べないかもしれないのでそんな時はyoutubeでタイトル検索してでも、まずは聞いて欲しい。
この記事も絶賛聞き流しで書いている。
これまでに何回、何十回、何百回と聞いて来たのにサビ以外の歌詞は覚えていない。全容が気になったらその都度調べ、そして忘れる。
このような扱いを受けている『Blowin’ In The Wind』は、埋もれていく数多くの曲の中の一つに感じられるかもしれないが、個人的にはいたく気に入り、幾度となく助けられている。
それではみなさんの耳にもボブの歌声が届いたところでそのまま聞き流しながら読み進めていこうか。
カムイエムシ牧場
カムイエムシには家畜がいる。
それがこの馬だ。
待って。
曲は止めずボブの歌声はそのままに。
この曲の雰囲気の様にどこか切ない気分のまま読んでいって欲しい。
パラディンなのにアクセがカラっていうのがすでに良い切なさでしょ?
家畜と言っても存外な扱いを受けているわけでは無い。むしろ手厚い。
血盟員に愛されているからこそカムイエムシに所属し、楽しみを共有出来る立派な家畜だ。
ある血盟員の紹介により彼はカムイエムシにやってきた。
入団したての頃は人間の姿で、チャットにもあまり顔を出さず、血盟員との絡みも無く、要塞戦も放置オートでの参加といった具合で正直どんな人物かは分からなかった。
他にメインでやっているゲームがあると聞いていた為、まさしく当たり障りない距離感で付き合っていた。
盟主として顔合わせの段階で、ある程度の交流はするがその後はその人物次第だ。
ソロを好むスタイルならそれで良いし、交流を深めて来ようとすればとことん付き合う。
「彼は前者だ」と、思っていた。
そうある時期までは…。
彼はある日を境に「馬」になった。
何か心境の変化があったのは間違いが無い。
彼が馬に…いや、待てよ。
考えが浅はかだった。
恐らく元々馬だったのだろう。
彼が本来の姿である「馬」に戻った数日後には、アクセサリーは緑背景に染まり、武器や防具も徐々に青背景に染まっていった。
それまではシリーズがあっていないアクセサリーにどうでもいい装備で揃えていたイメージがあるが、もはや人間の頃の彼の事を覚えていない。
これが“本領発揮” といったところか。
元々馬を紹介してきた血盟員からは、
『メインでやってるゲームでは廃課金』
という情報は掴んでいたため、まぁ気分が乗ればリネレボでも課金するだろうと思っていたが、課金をするようになったところを見るとリネレボはもちろん、カムイエムシを楽しんでくれているのだろう。
そんな馬を見てるとこちらも楽しくなってくる。徐々に戦闘力を上げていく様子を見ていると応援したくなる。
馬は戦いを好む
最近のアジトでは血盟員同士でのバトルが多々勃発するのだがそのキルログを馬が独占している。
そう何を隠そう馬は…
めちゃくちゃに弱い。
キルログと言ってもデスの方だ。
というか馬がキルしてるのをまだ見ていない。
本来の姿に戻れたものの、まだ日が浅い。
分かりやすく戦闘力でいうと20万くらいだ。
だが彼の良いところは戦闘力が鬼のように離れていよう相手にも何度も挑戦し、倒しにかかってくるその姿勢にある。
カムイエムシ下克上精神ランキングでは1.2位を争う馬は、確かに日々向上し続けている。
この間はHPポーション不使用、裸状態、のハンデ有りでミリオンプレイヤーであるウチの“参謀宇宙人”こと天ちゃんと勝負をしていた。
その様子をDiscordで楽しませて貰っていた、が突然馬の悲痛な声が響いた…。
『回復しやがった!約束が違う。』
『残り10%まで削ったのに…。』
『今日は落ちます、荒野行きます。』
そう言って馬は荒野に駆けていった。
フリンテッサの空気と馬
最近フリンテッサ民がワルチャの雰囲気やPKの存在を嫌い別サーバーに移っているという報告を良く耳にする。
Lessonはワルチャをオフにしているため全く気にならないが、どうやら幼稚な発言や煽りなどがあるらしい。
他サーバーからPKクランが移ってきたとも聞いた。
これだけ聞くとなんて世紀末なところだと思うかも知れぬがそれはほんの一部。
“戦い方は相手次第、生き様は自分次第”
なのだ。
楽しみを求めてのサーバー移動は頷けるが…。
まぁ疑問に思える事は多々あるが、
嫌な部分はすぐに表面化し、本来あったはずの楽しさはそれに飲み込まれ埋もれていってしまう。そんなものだ。
さらに人はそういう部分を一つ見つけると、他の嫌いな部分を見つけようとする。そうなるともはや止まらぬ。
そんなスパイラルに入る前に一旦考える事をやめ『Blowin’ In The Wind』を口ずさんでみてはどうだろう。
ボブおじさんが曲中で言ってるように「答えは風の中」にあるんじゃなかろうか。
そして馬もまた風の一つ。
風はひと時の紛らわしかも知れぬが、感じようとすればいつでもそこにある。
風を感じる余裕が心からなくなる前にその事を思い出して欲しい。
最後に、家畜やら何やら我ながら失礼が過ぎた部分を少し改めておく。
馬ことxLEOxは
立派なカムイ戦士である。